独り言

破産宣告された時の心の状況

不安不安。恐怖恐怖。

2013年9月1日。日付が変わった頃に突然夫から「話がある」と言われ、

「店を閉めることにした」

と宣言されました。1年くらい前から経営状態が思わしくないのは分かっていたので、

”ついにきたか”という冷静さと、”え?もう諦めちゃうの?”という残念な気持ちだったような。
他に何を言われたかは覚えていません。ただ、聞いて時間が経たないうちに腹を括りました。一緒に乗り越えていこう、と。

当時経営していたお店は5店舗。(そのうち私名義が2店舗)1店舗を残してすべて清算。私の名義の2店舗に残されていた負債は○千万

これから先決めなければいけないことだらけ。
持ち家は?
車は?
引っ越すの?
抱えている負債はどうやって返すの?
生活費はもらえるの?
あ、そうだ。今娘は中学3年生。受験させてあげられるのかな。。。

とりあえず、今後起こるであろう決めごとをピックアップする話し合いをして、寝ることにしました。話し合いはお互い冷静で、何も感情が湧かず、淡々と進みましたが、真夜中の報告に寝たのは2時か3時頃だったと思います。

翌朝、早く目が覚め、「昨日聞いたことが現実なんだ」と改めて実感します。とりあえずいつも通りに子どもたちは学校へ。
偶然その日の昼に私の両親が来ることになっていました。明るくランチを3人で取る予定が、私の報告により一気に両親も暗闇に落ちてしまいます。
父親は「いつかそういう日が来ると思ってた」「助けるつもりはない。自分たちで頑張りなさい」「あと5年。そうすれば子どもは大きくなる。あと5年頑張ればラクになるから、とにかく5年頑張りなさい」
母親は黙って聞いていましたが、しばらくは夜眠れなくなってしまいました。不眠は父親も同じでした。

両親が帰って一人の時間になると、急に不安感に襲われ、気持ちをどこに置いて良いのか分からなくなります。借金をどうやって返すのか。いや、返せる金額じゃない。夫の仕事はどうなるのか。これから受験をする娘の学費。そして3年後はダブル受験。
不安不安。恐怖恐怖。脳内不安と恐怖の無限ループに襲われます。

襲われたのは脳内だけではなく、現実でも督促の電話、督促状に襲われます。電話が鳴るたびに恐怖。督促状は毎月何十通も届き、延滞金が膨れていくのを見るときにはいつも手が震えていました。生活費は宣言された日から0円となり、一切入らなくなって貯金を切り崩しての生活に。

破産宣告後に涙が出たのはいつだったか、ギリギリラインで保っていた気持ちが切れた瞬間、涙が止まらず、嗚咽状態。ひとりで何日も何日も誰にも知られることなく泣き続ける日々が続きます。わずか1か月で5キロ体重は落ちました。

腹を括った私の覚悟の大半を占めたのは「中学3年生、受験中の娘には一切言わない、悟られない、気づかせない、今までと変わらない生活をして、安心して高校生になってもらう」ということ。娘に話したら、確実に受験を諦めて就職すると言うから。私たちが作った負債のせいで、娘の人生を狂わせたくない。娘には関係ない事。これだけは死守する。

幸いなことに、私は基本的な生活費に関しては、収入が増えても変えていませんでした。万が一のことがあったら、と想定して生活レベルは常に一定にしていたのです。

一番どん底の精神状態の時にお守り代わりにしていた本が
ザ・シークレット/ロンダ・バーン
ザ・シークレット
3冊購入して、寝室、リビング、いつでも手に取って読めるように常に持ち歩いていました。
呪文のようにぶつぶつ言いながら読んでいたのは
ホ・オポノポノシリーズ
ハワイに伝わる癒しの秘法 みんなが幸せになるホ・オポノポノ 神聖なる知能が導く、心の平和のための苦悩の手放し方

この2冊に本当に本当にお世話になりました。不安と恐怖に襲われたら、本を手に取る。ひたすら読む。読んで「自分は大丈夫、大丈夫」と言い聞かせる。また不安になる。恐怖に襲われる。本を読む。プラスのイメージに切り替えてマイナスを排除する作業をする。でも、すぐに不安と恐怖。そして耐えられなくなって涙涙涙。涙で読めないけど泣きながら読む。

私のパート先が決まるまでの1か月は毎日がそんな感情でした。