書評

人生で大切なことは泥酔に学んだ

人生で大切なことは泥酔に学んだ

泥酔も二日酔いもその時は「もう二度と飲まない」「お酒は控える」ともう反省するけど、なぜまた同じことを繰り返してしまうのだろうか。飲みすぎた次の日は後悔しかない。あんな気分が悪い思いはうんざりなのに、飲んだら忘れて同じことの繰り返し。だって、お酒美味しいし、楽しいんだもん。

人生で大切なことは泥酔に学んだ/栗下直也

  • 出版社 : 左右社 
  • 発売日 : 2019/7/1

悲しいかな、酒を呑んでしくじったところで人生は終わらない。。。

私自身のしくじり経験を語ればそれなりにある。
子どもが小さいにも関わらず、子どもを置いて近所に飲みに行っちゃったり。(今は虐待扱いされるな)
二日酔いがひどすぎて全然立ち直れず、子どもの夕飯がお茶漬けだったことも何度もある。
何とか家にたどり着いたものの、脱ぎ散らかしながら寝室で倒れそのまま寝てしまう。そして息子が脱ぎ散らかした洋服を畳んでくれるやさしさ。
これは完全にやってはいけないが、酔いながら自転車で帰り、途中生垣に顔を突っ込んで顔が血だらけになったことも。。。
今は笑い話だけど、当時は完全に母親失格のろくでもない人間だったなあ。

偉人も泥酔して、様々な歴史を作ってきた。泥酔本が今後の私の酒癖改善に繋がれば良いのですが。。。

政治家、俳優、スポーツ選手、作家、詩人、女優、達の泥酔物語
第一章 リスク管理篇
第二章 通勤篇
第三章 出世篇
第四章 宴会篇
第五章 上司篇
第六章 健康篇

太宰治・・人間関係を結ぶ上で酒が欠かせなかった。
酒を呑むと、気持を、ごまかすことができて、でたらめ言っても、そんなに内心、反省しなくなって、とても助かる。そのかわり、酔がさめると、後悔もひどい。
小島武夫・・お金がなくても呑んでしまう。
酒にはとことん呑まれ、とことん溺れた方がいい。そうじゃなきゃ、アルコールが入っている意味がない。酔い潰れると、身体は最悪な状態になるが、不思議なことに恐怖心が薄れ、あとから自分でも驚くような度胸が湧いてくるもの。
福沢諭吉・・仕事は人一倍熱心ながらも、それ以外ではベロベロ。
30代になってからは節酒に励む。朝酒をやめ、昼酒をやめ、晩酌の酒量を減らした。しかし酒を我慢するあまりに煙草を吸い始め、最終的には両刀使いになってしまった。
藤原敏男・・1日8時間でも吞みたかった。
一生懸命飲んでいるから二日酔いはない。嫌々飲んでると二日酔いになる。

あー、やっぱりお酒はやめられない。いつの時代にもお酒にかかわるエピソードは変わらず。二日酔いの気分も変わらず。昔と今のお酒の歴史は時代背景が違うだけで中身は一緒。こんなに時代は変化しているのに、二日酔いはなくならないし、後悔もなくならない。ということは、今のままでもOKなのかな、と、また自分を甘やかすお酒の飲み方になってしまいそう。いや、ちゃんと成長して、気持ちよく楽しく飲んで、楽しい余韻のままで終わらせる!