書評

社会人大学人見知り部卒業見込

社会人大学人見知り部卒業見込

芸人さんって意外と人見知りの人が多いのでしょうかね。人見知りすぎるがゆえの魅力があるのかもしれません。人見知りの心の中どうなっているのか、知りたいと思いませんか?

社会人大学人見知り学部卒業見込/若林正恭

  • 出版社 : KADOKAWA/メディアファクトリー 
  • 発売日 : 2015/12/25


人嫌いと人見知りは違う。
本当は人に近付きたい、でも近付いて嫌われたくないという自意識過剰な人が人見知りになる。人見知りの人は周りに人が少ないから孤独感を勝手に抱き始める。そうなると誰かに理解して承認してもらいたくなる。承認欲求が芽生えると表現なんぞを始める。だから、意外と重度の人見知りこそいけしゃあしゃあと人前に出て表現したりするものなのだ。
人見知りは、そもそも人付き合いが苦手で人が集まる場所に出てこない。

性格は形状記憶合金のようなもの。なかなか変えられない。だから変えるんじゃなくてコントロールできるようになればいい。

人見知りから”卒業”ではなくて、”卒業見込”でよい。本を読んだから人格が変わるほど甘くはない。本だけの力で人間を変えることは出来ない。本は杖やビート板の役割をすることはあるけれど。
性格は変えなくてよい。ネガティブで人見知りで考えすぎな性格のまま楽しく生きられるようにすればいい。

そのままの自分を肯定できそうなのが、苦手意識に対する考え方。
成績の伸びない子の典型的な特徴。分からない問題にこだわり続けた結果、冷静さを失い、集中力を切らし諦める。。成績の伸びる子は分からない部分を次々と飛ばし、わかることから済ましていく。そう、そのままでいいんだ。わからないままでいい。

「大丈夫」という事から大丈夫は始まるのだ。
人を励ますって事は難しい。励ますときに人は自分の人生経験や哲学が試されているような気分になる。同じ環境でも苦ととるか、楽ととるかはその人次第だ。自分では抜け出せないほどのネガティブな感情にはまったとき、一番初めに起動しなきゃいけないのは心だ。行動を起こしながら感情がついてくることもあるだろうが、それでも一番初めのアクションは”心”からだ。

人をネガティブにする三大ブランド
暇と飢えと寒さ

ネガティブの穴の底に答えなんてない。それはただの穴だよ。地上に出て没頭しなさい。ネガティブを潰すのはポジティブではない。没頭だ。

この世に存在する理由
一つ目は何かをしているから存在していいということ
例えば、会社にいてちゃんと働いているからその会社にいていいって思える事
二つ目は生まれてきたら、なんの理由もなくこの世界に存在していいという事
人は二つ目の理由を忘れがち。一つ目にこだわるからつらくなる。何もしなくてもこの世に居ていいんだ。

人見知りでも構わない、人見知りの背中を押してくれる1冊です。