書評

自分の時間-1日24時間でどう生きるか

自分の時間―1日24時間でどう生きるか

時間は無限の富を生む、実に不思議な宝物!あなたは大切な「あなただけの時間」をどうやって作り出しますか?
朝目覚める。するとあなたの財布には、まっさらな24時間がぎっしりと詰まっていますよ。

自分の時間-1日24時間でどう生きるか/アーノルド・ベネット

  • 出版社 : 三笠書房
  • 発売日 : 2017/7/25


あなたの財布にはまっさらな24時間がぎっしりと詰まっている

という表現には、時間のお金持ちになった感覚になり、それが一日が終了する間際には、財布入っている時間がわずか。このお金に譬えた時間という財産の価値が一発で分かる気になる。イメージしやすい。

「まえがき」の書き方も今までにない感覚で、読み終わったあとにもう一度だけ「まえがき」を読み返してほしい、とある。
決まった仕事以外に何かやりたくてうずうずしている人へ、のメッセージと受け取れる。うずうずしているのに、仕事を終えた後は疲労困憊してやりたくてもやれないのだ、ではどうすればよいのか?
バランスの取れた賢明な1日を過ごせるかどうかは、普段とは違う時間に、たった1杯のお茶を飲めるかどうかにかかっているかもしれないのだ。

時間があれば金は稼げるが、金があっても時間は買えない
人間だれしも平等に時間は与えられている。誰もあなたから時間を取り上げることもできないし、盗むことも出来ない。そして、明日の時間を今、浪費することもできない。なぜならそれは「明日のあなたのためにとっておかれている」時間だからだ。時間の支払いは確実で、平日だろうが、日曜だろうがそんなことは関係ない。先の分まで前借りすることもできない。

1日が24時間であることを、本当に理解しているか
勤務時間を1日と無意識にみなしてしまい(実際には8時間程度の勤務時間なのに)、仕事時間以外の16時間に対する関心を失っている。大切な時間だとは思わなくなってしまっているのは、勤務時間を「一番大切」ととらえているのではないだろうか。だが、この16時間をもっと真剣に考えてみると、すべてのものから解放されている結構な身分の時間となる。給料を稼いでくる必要もない、金銭上の問題に気を取られることもない、つまり働かずとも食べていかれる人と同じような、充実した人生を送れる時間なのだ。

毎日をただ何となく過ごしている人の悲劇
人はそれぞれ自分で自分の人生について真剣に考えない限り、本来成し得ることも成し得ない。計画の奴隷になってもいけない。計画したことは尊重しなければならないが、盲目的に崇め奉るようなものでもない。自分で自分の生き方が重荷にならないように。時間を無駄にしていると十分意識しつつ、無駄に過ごすことも大切。

時間の使い方を考える1冊。ガチガチにお堅い感じではなく、「心にゆとり」も作れる、自己否定されない文章が好印象。
まずは自分の好みにあった、心の底からやりたいと思うことから始めよう。