投手コーチから学ぶビジネスに役立つ超一流コーチング
教えなくて済むならこんなに楽なことはないのでは?
最高のコーチは、教えない/吉井理人
- 出版社 : ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日 : 2018/11/15
まずはじめに
コーチングの基本は相手に主体があること。
相手の言葉の感覚をつかみ、その感覚でアドバイスをする。相手が理解できない言葉で何かを伝えても意味がない。一人ひとりに対してオーダーメイドで対応していくのが指導行動の本質である。
ミスを叱らずに、手を抜いた時だけ怒る。
小さな課題を設定し、成長のスパイラルを作る。
では具体的に成長のスパイラルを作るにはどうすればよいのか。
課題設定→振り返り→新しい課題の設定。小さな課題を設定し、自ら解決するように導く。成長を促す課題の見つけ方は観察・質問・代行。基本的にはコーチは質問に徹することで、相手に選択権を与え主体性を尊重する。肯定され続けていると信頼し、指示を聞く準備ができてくる。
ここではコーチの思惑と相手の考えに相違が出てくるもどかしさも感じられる。が、まずは相手を尊重し、指示を聞く耳を持つまで肯定し続ける努力がコーチには必要なのかと思える。ここで挫折する人が多そうに思われますね。そして、ここまでで「こんなのできないよ!」と本を放り投げる人も出てきそう。。。
さらに期待しがちなのが急激な軌道修正。だがそれよりも着実な成長を促す。自分の言葉で正解にたどり着かせ、成長を促し、強みを磨く。
自分で問題解決する思考回路をつくる。相手の言語化能力が高まるまで振り返りを続ける。
「目的」「目標」「課題」の設定
「目的」何をしたいか、何をするべきか、抽象的な未来像・最終到達点
「目標」目的を達成するためにクリアしなければならない成果
「課題」目標を実現するために障害となっている状態や行動
課題のクリアを続けることで目標を明確にしていく。まさにコツコツですね。自由に考えさせて、自由に言語化させる。それによって思考は飛躍的に伸びていく。
さて、教えずに気づかせる手法でどこまで相手が成長するのかが見ものだが、唯一教える・アドバイスするタイミングがあるそうで。
成果を挙げて気分がいいとき
どん底に落ちた時
つまり、真ん中は無言状態ですね。真ん中状態がほとんどのような気がするのですが、私だけでしょうか。教えるのも難しい、教えないのも難しい、人材育成って結局簡単なものはないということ。
この本を実践したら、最終的には自分も大きく成長する結果がついてくるのだけはたしか。