書評

2021年に読んで面白かった小説トップ3

2021小説トップ3

今回は、2021年に読んだ小説の中から面白すぎた本トップ3を紹介します。
私は主に小説は通勤の電車で読むのですが、降りる駅を通り越して過ぎそうになってしまったくらい夢中レベルが高かった本3冊を選びました。
下車駅が近づいてくるのが嫌になってしまう、次の通勤まで待てなくて帰宅後続きを読んで、ついには最後まで読み干してしまった本。
それだけ小説の中に自分が入り込める本に出逢えて幸せ。
現実にはありえない、小説の中だけの話。
「あ~現実はこんなこと起こらないんだから、自分の人生たいして悩むほどではないんだ。」
と安心できる。
人生に悩んだら小説に没頭することで現実逃避。
その間だけは悩みも嫌なことも忘れられる。
だからやっぱり読書はやめられないんだなあ。。。

2021年に読んで面白かった小説

NO.1 火車/宮部みゆき


謎の失踪を遂げた婚約者を捜してほしい、と求職中の刑事は親族から依頼される。
失踪した婚約者は自己破産をしていることが判明。さらにその人物は親族が依頼してきた人物とは別人なのでは?という偽物疑惑が湧く。
失踪と破産。
自身も自己破産経験者なので、文中に出てくる「破産手続き中に経験したこと」は懐かしい思いがしてしまった。
やむを得ず破産をすることになってしまったこと、その後に起きる手続き、世間からの目がどういう風にうつるのか、、、
毎日不安と恐怖に襲われながらも朝は確実に来るわけで。
破産して分かったことは、
「お金は無くなったけど、命まで奪われることはない」
「救ってくれる人は必ずいる。明けない夜はない」
「また楽しい日々を過ごせる日が必ず来る」
「毎日苦しい中でも、幸せを感じられる時間はある」
誰もが起こりうる可能性のあるテーマだけに、今でも読み続けられている作品なのだと思う。小説と現実の微妙なところがまた良い。

NO.2 友罪/薬丸岳


あなたは”その過去”を知っても友達でいられますか?
誰にでも黒歴史はあります。小さな黒歴史からとてつもなく大きな黒歴史まで。
墓場まで持っていきたくなるくらい、人には言えない過去。言ったら嫌われてしまうかも、離れてしまうかも、、、という恐怖から言えない。
でも知ってもらいたい。理解してもらいたい。
そんな過去を話す相手はどういう相手?
そんな過去をもし聞いたとしたら、自分だったらどうする?変わりなく友達を続けるのか、離れていくのか。
カミングアウトする方は勿論勇気のいることだけど、話を受け取る側も覚悟を決めなくてはいけないのかな。。。
大なり小なり黒歴史の公開は少し痛みが伴うのかもしれない。
受け入れてもらったとき、安心を得たときの喜びも大きいだろうけど。
私は金銭的困窮&自己破産を何年も親友に話せなかった。
なぜなら、親友関係がそこで「終わり」になると思っていたから。
でも、カミングアウトしても何も変わらなかった。いつもと変わらず普段通り。
ありがたかったな、嬉しかったな。こういう経験をしたので、私は親友からのカミングアウトを受け入れられる心を養えたかも。

NO.3 Jの神話/乾くるみ


全寮制の名門女子高で次々と起こる怪奇事件。
胎児が見つからない”流産”での失血死を遂げた女子高生。
事件を解決すべく雇われた女探偵”黒猫”
絶対に現実では起こらないと分かって読めるミステリー小説。だから面白く、現実逃避しながら読める。
ラストは、さすが乾くるみワールド。好きな方はたまらないオチだろうな。
この本を読んで一番衝撃的だったのは、乾くるみは男性だったってこと。
何冊も乾くるみ作品を読んでいたのに、性別は女性と思い込んでいた自分に衝撃。

仕事のスイッチをONにする前、仕事スイッチOFFの後、脳みそを異空間に導いてくれるのが、私流小説時間。
わずか15分の電車内、もっと通勤時間が長ければいいのになあ、ってたまに思ったりも。。。
通勤が苦痛じゃないと思えるのは、読書のおかげ。
仕事は苦痛に思ったりするけど、”通勤”は楽しみな時間です。
疲れていても帰りの電車内は続きが読めるので、一気に楽しい時間に突入。
だからやっぱり読書はやめられないのです。