書評

世間とズレちゃうのはしょうがない

世間とズレちゃうのはしょうがない

世間ってなんだろう?多数派のこと?
世間の中にいる自分と世間からズレている自分もいる。
だれでも少しは世間からズレていると感じることってあるんじゃないかな。
世間なんて関係ない!合わせる気は全くない!って強気でいても、
「ズレたまま進んで良いのか?」って思うこともある。
私のズレた選択は正しいのだろうか、、、とね。
あなたの感覚は、世間からズレていますか?

世間とズレちゃうのはしょうがない/養老孟司・伊集院光

  • 出版社 ‏ : ‎ PHP研究所 
  • 発売日 ‏ : ‎ 2020/10/14

養老孟司さんと、伊集院光さんの”ズレ対談”がとても面白い。
ズレている対象が自分に当てはまっていたりすると、激しく同意します!! 
共感できるポイントも多々あり。

養老孟司さん:
「自分が世間とズレていることは分かっている。しょうがないと開き直って、開いた距離感で世間を冷静に見つめている。」

伊集院光さん:
「どうしても世間とズレてしまうことに怯えながら、どうにか修正を試みるも、どうにもならず結果大幅にズレたままだが、今はなんとか調整しつつ生きている。」

私は伊集院光派だわ。
ズレてしまっていることに対して「大丈夫かな、これでいいのかな」「ズレを直した方がいいのかな」と常に思っている時期があったなあ。。。

人間は異質な存在を排除する傾向にある。(外観は分かりやすい例)
平均からこぼれた人たちは、それを利用して個性的な仕事につきやすいメリットがある。
でも、逆に潰されてしまう人間もいっぱいいる。

世間に違和感を持っていても、ズレないように頑張る。←これこれ。この感情を持ちながら生きている人ってかなりいるんじゃないかな?

世間の違和感の代表
学校生活の理不尽→謎な校則、ツーブロック禁止とか。
会社の違和感→仕事全然出来ないのに給料高い上司、無言のサービス残業圧力とか。
人生マニュアル→さりげなくレールを敷かれた人生。この年齢になったら結婚。結婚したら子どもは?
○○なんだから→お兄ちゃんなんだから、男なんだから、お母さんなんだから、”こうしなければいけない”という縛り
などなどなど、、、

ズレている側からすると、外から冷静に中を見て、「中の人ってこういうことしないんだ」ってスタンスで世間とのズレを見る。

世間になんとか踏みとどまろうとする側は、「自分はこう修正している」「これ以上行ったら(言ったら)はみ出る」「はみ出そうになった」「今出ちゃったから戻らないと」と、なんだかあたふたした感じ。

ズレている方は「どこから世間に入れてもらえるか」と、試行錯誤。
ズレとそうでない境界線ってどこなんだ?
だれがその線を引いているんだ?←ほんと、その通り。誰?
じゃあ、世間から完全に離れられるのはいつ?
でも、死んだら世間も何もこの世と完全に離れるわけだから、ズレも何もないな。つまり、死んだら「世間」から完全に離れる。
死なないと外してもらえない。生きている限り、世間が許さない。
怖いよう。。。

でもさ、ある程度世間からはズレないと「その他大勢」「多数派」になっちゃうんだよね。

簡単な例でいうと
土日休み。
みんな土日休みだから、どこに行っても混んでるし、並ぶ。
そして、土日はランチメニューもないし、何なら割高。
混んでるから、サービスもイマイチ。ストレスがたまる毎日。
こんな「世間」ってどうよ?

ちなみに、私はシフト制なので、基本は土日祝日、長期休みとされる日は働いちゃいます。
休みは平日なので、どこも空いてるし、安い。
店員さんの心にも余裕があるからサービスも良く、ストレスフリー。

少しだけ世間からズレてみると、良いことだらけってことに気づく。
こうやって少しの”ずらし”だけで良いのです。
自分で変えられる”ずらし”はどんどんやってみる。

例えば、私が少しだけ変えた”ずらし”はこれ。
お母さんなんだから~の呪縛から解放してみる!
「お母さんなんだから、子どものお弁当を作らなきゃいけない」を、少しだけずらしてみる。

point1.子どもは学校で「家庭科」を学びます。調理実習やりますよね。
point2.その調理実習は学校だけで終わらせるの?
point3.学校は世の中に出た時に役に立つように教えてくれています。じゃあ、いつ役に立たせるの?
point4.結婚するまで、一人暮らしするまでお預けなんてもったいない!早速家庭でやらせてあげよう。
point5.段階を踏んで少しずつずらしていく。
中学1年生・・・お母さんが全部お弁当を作る。子どもは弁当箱を洗う。
中学2年生・・・お母さんがおかずを作る。子どもは弁当箱におかずを詰める。
中学3年生・・・子どもが全部作る。

さて結果は?

お母さんなんだから~の呪縛から解放!(^^)!
子どもは家庭科の授業から得たものを実践し、料理が作れるようになる!
お互いに良い事尽くしですぞ。

世間の声はこうです。
ええ??お母さんなのにお弁当作ってあげないの?
中学生なのに作らせてるの?かわいそう(これは子どもが高校生になっても、大学生になっても言われる)
子ども側も友達から言われます。
ええ??自分で作ってるの?大変だね、かわいそう。
なんでお母さん作ってくれないの?

いいんですよ、お互いにストレスや愚痴なく出来ていれば。
何歳になってもやってあげていいんです。
でもさ、、、
作ってる側:
「毎日作るの面倒」「朝早く起きて弁当作るの嫌だなあ」「せっかく作ったのに残すなんて」「おかずに文句ばっかり」
作ってもらってる子ども:
「まずいんだよね」「量足りない」「おかず少ないんだけど」「嫌いなの入れないでよ」
ってお互いにストレスばかり。

こんなことなら、世間からズレてみちゃうのもおススメですよ😊
養老孟司さんと伊集院光さんの”ズレ対談”でさらなるズレに自信を持つ事が出来ましたヽ(^。^)ノ