書評

デジタルとAIの未来を語る

デジタルとAIの未来を語る

・2020年に世界を襲った新型コロナウィルスの封じ込めを成功させた
・台湾の閣僚

デジタルとAIの未来を語る/オードリー・タン

  • 出版社 ‏ : ‎ プレジデント社 
  • 発売日 ‏ : ‎ 2020/11/29

Instagramで、この本が多く投稿されていて興味深々で購入です!
私にとってはハードル高そうなんだけど。
そもそも政治に興味ないし、ましてや海外の情報なんて、、、

さてさて、内容はどんなかな。
表紙とぺらぺら読みだと、ハードル高そうに思ってしまうのですが、1ページ1ページ読み進めてみると、
あら、読みやすい、分かりやすい!
難しい文章が苦手な私でも理解できる!

驚きなのは、台湾って国すごいな、ってこと。
デジタル進化がすごい。
日本が遅すぎなんだろうけど。
しかも政府の動きが速すぎる!
日本が遅すぎるんだろうけど。

日本と台湾とのスピードの差。
海外の事情を知ると、日本は、、、とブツブツ思ってしまう。
そんなことはとりあえず置いといて。

この本の中で特に興味深かったのは

オードリー・タンは、中学は1年だけしか通わず、14歳で退学したこと

インターネットを利用して、自分の興味に従って研究をした結果、学校の授業で学ぶ内容がウェブで学べる最先端の知識よりも10年ほど遅れていることに気づいたのです。
そうしたらもう、退学して独学で学ぶしかない。時間がもったいない。
でも、学校側はそれを受け入れたら校長先生は法律を犯すことになる。

そして校長先生の下した判断は、、、

「明日からもう学校には来なくていいよ。あとは私が何とかするから」

自分が罪を被ってまで、1人の生徒の未来を守ってくれ、応援してくれる。。。
すごくないですか?この校長先生。

そんな暖かい環境があるのに心を打たれました。

これが日本だったらどうなんだろう。
法律だから!の一点張りで「みんなの輪」に無理矢理収めようとするのかな。
思い切って輪から外れてみる大人がいたっていいと思う。

オードリー・タンはトランスジェンダーですが、台湾には寛容と包括の精神があるのも非常に感銘を受けるところです。
新型コロナの影響でマスク生活を余儀なくされ、ある男の子が
「ピンクのマスクをしていたら、学校で笑われて恥ずかしい思いをした」という訴えに対し、
それを聞いた中央感染症指揮センターの指揮官たちが全員ピンクのマスクを着用して会見に臨み
「ピンクは良い色ですよ」
と語りかけたとか。
さらに、SNS上でも多くの企業や個人が企業ロゴやプロフィール画像の背景をピンクに塗り替えて、政府を支持する動きまで出たそう。

マイノリティであるからといって否定されることがない。
もちろん、自信を失う必要もない。

日本は、「みんな同じ行動」を順守するように教育されてきているので、仕方のないことかもしれないが、「空気を読む」「同調圧力」が強い傾向にある。
おかげでコロナ禍の日本人の心は疲れ切ってストレスが溜まってきている。
いつか大きな爆発となりそう(自分も含めて)

もっと広い心で、お互い様精神、自分も受け入れて相手も受け入れる寛容な国になればいいのにな、と思う今日この頃です。

政治なんて難しいし、ましてや海外の政治なんてもっと理解しがたいとしり込みしていたけど、読んでみて良かった。
私自身が注目した点は、結局政治面ではなかったけど、新しい発見があったので、やはり色々な分野の本を読んでみるべきだなあ。。。