書評

DIE WITH ZERO

DIE-WITH-ZERO

人生で一番大切なのは、思い出をつくることだ。
ただ生きるのではなく、十分に生きる。
経済的に豊かになるだけでなく、人生を豊かにするための方法を考える。
さあ、どんな方法があると思いますか?

DIE WITH ZERO/ビル・パーキンス

  • 出版社 ‏ : ‎ ダイヤモンド社 (2020/9/30)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2020/9/30

「死ぬまでに金を使い切りたい」
死んだり歳を取りすぎてからでは金は使えない。
だから「ゼロで死ぬ」ことを目指すべき。
今味わえるはずの喜びを極端に先送りすることに意味がない。

もし、死ぬまでに確実にお金に不自由のない生活ができる保障があれば、
もし、自分の寿命が何歳までと、確実に知ることが出来れば
ゼロで死ぬことも本望かもしれない。
ある意味理想の人生といってもよいかもしれない。
好きなタイミングに好きなことをやって、お金に苦労する心配もなく、毎日優雅で有意義な人生を送ることが出来る。
でも、これが出来る人ってどのくらい存在するのかなあ?

少なくとも今の私にはゼロで死ぬことの勇気を出せない。
共感出来ないなあ。。。

でも、共感できた点も。

子どもには死ぬ前に与える

ということ。

「自分以外の誰かを気にかけているなら、ゼロで死ぬなどできない。子どもたちのために金を残しておくべきだ。」

という考え。

そもそも子どもには自分が死ぬ前に財産を与えるべき。

なぜ死ぬまで待つ必要があるのか?

本当に子どもの事を第一に考えているのなら、自分が死ぬ前に寛大さを示してあげればいい。

死んでから分け与えるのではなく、大切な子どもたちが受け取った財産を最大限に活用できるタイミングを考えてあげるべき。

これは確かに、本当にその通りだと思う。

自分がもし死ぬ前に分け与えるとしたら、
孫が生まれたときに分け与えるだろう。
そうすれば、孫がある程度大きくなるまでは、子育てに専念できるくらいの余裕が生まれる。
今のお母さんは、子どもと十分な時間を取りたくても、共働きしないと生活が成り立たない。
ならば、その時期に先払いすることで、財産を最大限に活用してもらうことが出来ると思う。

逆にもし、私が親から生前に財産を分け与えてもらえるとしたら、間違いなく破産した時期に欲しかったな。
不安と恐怖に打ちのめされるような毎日を送る必要もなかったかもしれない。
でも、、、私の場合は、金銭的に援助をしないことでそこから学べるものを経験してほしいと思っていたのかもしれない。
お金ですぐに生活の不安は解消されるかもしれない。
けれど、それは決して良いこととは限らないのかも。

いつまでも両親に金銭的に依存してしまうかもしれない。
自分の力で立ち直る術は見つけられなかったかもしれない。

お金の大切さや、どん底に落ちた時の精神力を学ぶ良い機会と捉えてくれていたとしたら、毎日苦しみながら両親は見守ってくれていたのかもしれない。
私に生き方を学ばせてくれていたのかもしれない。

結論、私が受け取る場合は、両親の死後で十分だ。(実際に受け取る金額はゼロかもしれないけど)

ある程度は生前に分け与え、最後はやっぱり不安だからお金は残して死ぬかもしれないな。
使い切っても、残っても、幸せに死ねたら最高。
結局は自分の人生は自分で決めるもの。
どう生きたいのか?

どう死にたいのか、ではない。
そう、心に留めておきながら、毎日を大切に生きていこうとさらに誓った一冊でした。