書評

女装して一年間暮らしてみました。

女装して、一年間暮らしてみました。

男性のみなさん、女装経験ありますか。

高校の文化祭で、子どもの頃、お姉ちゃんにスカートはかせられたり、お化粧させられたり、、

想像以上に似合っている男子いました。
密かに「女装の魅力」が芽生えた人もいるかもしれません。

私が住んでいる地域には「女装おじさん」何人かいます。堂々と歩いている姿は美しくて羨ましい。
女装の道を選んだ人の気持ち、知りたくてこの本を読んでみました。

女装して、一年間暮らしてみました。/クリスチャン・ザイデル

  • 出版社 : サンマーク出版 
  • 発売日 : 2015/4/14

うちの息子は子どもの頃、よく女装させられていました。
3歳年上の姉が「ごっこ遊び」の相手役に息子を起用。
当時ブームだった「ごっこ遊び」での息子の名前は
”中山 弓”ちゃん。
「弓ちゃんごっこしよ~」
「いいよ~」
「ねえねえ、弓ちゃん」
「なあに~?」
と、赤いドットのスカートにカチューシャをつけた息子はまんざらでもなく、毎回楽しく遊んでいました。

将来はもしや?
なんて疑念も湧くほど。
でも、母親としての私は
「ま、それでも別に構わないや」

心が広いのか、息子の未来の姿に興味津々なのか分かりませんが、嫌悪感は全くありませんでした。

女装をしないまでも、美意識が高い男性は年々増えてきています。

この著者が女装に目覚めたきっかけは、ストッキング
冬の下半身の寒さ対策にモモヒキを着用するも、室内に入ると暑すぎる。
じゃあ、モモヒキは履かないでズボンのままでは寒すぎる。

そこで思いついたのが、ナイロンストッキング。

機能的すぎる女性用ストッキングは、男性にはないもの。

ここから著者は、
ストッキングのデニールがどういうものなのか、
すぐに伝線してしまう苦労を味わったり、
今度はすね毛が気になってきて剃った方がスムーズに履けるなど、
ストッキングの魅力に取りつかれていきます。

ここで。

そもそもストッキング、なぜ男性用はないんだろうか?

冬場の寒さ対策として、モモヒキよりも薄手の、ストッキングのようなスタイルは男性用として存在していても良いのでは?

ヒップまで履かない、ひざ下のストッキングを履けば、快適に解決できる。

”男性用”と存在していないから、”女装”と扱われる。

じゃあ、逆に”男装”は?
男性しか着用しないもの、、、、?あるかな?

わが息子はスレンダーで身長はあまり高くありません。
なので、パンツはレディースサイズを着用しています。
これは女装?

メンズのパーカーを女の子がダボっと着用すると可愛いですよね。
これは男装?

「 #服に性別はない 」( #LaRopaNoTieneGenero
スペインでは性別と服装についての議論が過熱したこんな話があります。

男子学生が
「他国でのフェミニスト運動やLGBTQ+をサポートする運動を見て応援したかった」
のと、
「スカートを履きたい気分だった」
ため、スカートを履いて登校
学校側はこの学生を退学処分にした。
これに対し、男性教師の一人が同校の判断に抗議
スカートを履いて教壇に立つことに。

「パンツを履いている私も、スカートを履いている私も同じ人間です」

と伝えていたという。

ブラジャーをしていると落ち着く男性もいます。
スカートを履いてお洒落をしたい男性もいます。

それで本人が良いなら、誰も反対する必要はない。

服にそもそも性別をつける必要はないのです。

著者が一年間女装してみて気づいたもの、得たものは何だったのか?
寒さ対策で購入したストッキングから女装に至るまでの心境の変化。
ぜひ読んで感じてみて欲しいです。

私は、共感もしたし、女性の気持ちを理解してくれた嬉しさもあり、プラスの感情が多かったですね。