書評

ひとりで生きていく

ひとりで生きていく

「ヒロシです。ヒロシです。ヒロシで。。。」

自虐ネタのピン芸人。エンタの神様よく観ていました。佇まいといい、雰囲気といい、「ひとりで生きていく」のがリアルに想像できるヒロシさんの、群れない、媚びない、期待しない、繋がらずに生きる処方本。現在はソロキャンパーとしてブレイク中。ピン芸人→ソロキャンパー。いつもいつも「ひとりで」を貫いているヒロシの中身は?

ひとりで生きていく/ヒロシ

  • 出版社 : 廣済堂出版 
  • 発売日 : 2019/11/2

ひとりで生きる。それは旅をするように、日々を生きるということ。

人はひとりでは生きていかれない、という世の中で、あえてひとりで生きていく選択。まあ、たしかにひとりで生きるのは罪でも何でもない、自由だ。人間関係こそもっとも面倒くさい。親友がほしいとも思わない。さらに、ひとりで生きるとなると老後に不安を覚えそうなものだが、ヒロシはソロキャンプと出会ってしまう。おかげで、老後の不安も解決してしまった。。。

ヒロシと同じように人間関係面倒、親友いらない、と感じている人にとっては(さらにキャンプも好きなら)ヒロシと同じようにひとりで生きるのも可能かもしれない。
ひとりで生きていかれない人で、人間関係に悩んでいる人は、ヒロシの思考術を学べば、少しは悩みも解消されそうな予感がする。

人間関係は流動的なものととらえ、
昨日は友達でも、今日は他人だったりする。
その反面、二度と会うことがない人でも丁寧に接する
という考え。別に人に対しての究極に嫌いアレルギーがあるわけでもなさそうだ。
他人に期待する生き方は、他人に絶望する生き方。人間関係を固定する行為=結婚にはメリットを感じない。
かといって、人との関係をすべて断ち切っていくわけでもないし、ひとりで生きることが極上であるといった夢見心地のことばかりが書いてあるわけでもない。
少しは人間関係もあるよ、と。気が合うよりも共通の話題がある事が大切だとか。

人の群れの中でもがき苦しむのなら、そこからスルスルッと抜け出して、自分のペースで生きていく。決して嫌いすぎたり、好きになりすぎたりしない。その方が自分の心が安定する。そうやってうまく自分をコントロールしてきたんだろうな、と思うと少し寂しい気もするが、常にフラットな状態を保つと、人間感情が穏やかになるのかも。

中年独身男性の等身大の姿であり、言葉。孤独の極みなのか、ひとりを楽しんでいるのか、読む人にはどういう印象が残るのだろうか。そして、どの部分を自分にあてはめ、自分を慰めるのか、または自分に勇気を与えるのか。
同年代としてはこれから先の人生になにかヒントがありそうな1冊となりました。

最後にヒロシからの熱いメッセージ

ひとりで生きるために必要なのは根拠のない自信。根拠のない自信は崩れない。