書評

人を動かす

人を動かす

心からの賞賛でひとりの人間の人生が変わる。1937年発売から82年経過した今でもあらゆる人へ読み継がれている世界的名著。自己啓発本の原点となったこの本は必読書認定です。

人を動かす/D・カーネギー

  • 出版社 : 創元社; 新装版 
  • 発売日 : 1999/10/31

人を動かす。この一言をあなたはどうとらえて、この本からどのような”動かし方”を得ようと思っていますか?

人を動かす秘訣はこの世にただひとつしかない間違いなくひとつしかない。自ら動きたくなる気持ちを起こさせること。これが秘訣だ。人を動かすには相手の欲しがっているものを与えるのが唯一の方法である。
人は何を欲しがっているのか?

人間の行動は、心の中の欲求から生まれる。だから、人を動かす最善の方法は、まず相手の心の中に強い欲求を起こさせること。

そして人に好かれる法則も学んでおきたい。これは実に簡単で、わざわざ本を読むまでもない、と冒頭で述べている。その法則とは、犬だ。犬はひたすら愛情をささげるだけで生きていける。そのかわいらしい姿には誰もが犬好きにさせるほど。犬から学べば良いのだ。人間がさらに付け加えるのは、笑顔。

人を動かす3原則
人に好かれる6原則
人を説得する12原則
人を変える9原則
幸福な家庭をつくる7原則

それぞれの原則は相手軸で物事を考えている内容で、自分軸を押し付けてはいない。実際の事例ではどのように解決=相手を動かしているか、結末にドキドキとしてしまい、まるで殺人事件の犯人を探るような感覚になって読み進められます。解決方法=相手の動かし方もまるでトリックかと思うほど絶妙。

人の気持ちを傷つけることで人間を変えることは絶対に出来ず、全くの無益。どんな人間でも、何かの点で自分より優れている、自分が学ぶべきものを持っている。

他人にものを頼もうとするときには、相手の立場から物事をよく考えてみよう。「どうすれば相手はそれをやりたくなるだろうか」と考えてみる。この方法は面倒に違いないが、これによってよりよい結果がたやすく得られる。
自分の事だけしか考えない人間は、教養のない人間である。たとえ、どれほど教育を受けても、教養が身に付かない人間である。

人間関係はいつの時代も悩み多きもの。そしてその解決方法が80年以上も経っても”最新本”として読まれるというのは、永遠に解決困難な事なのか。心が少し落ち込むが、書いてある内容は非常にシンプル。
相手を大切に。